たぶん30歳前後。


メガネをかけた優しそうなその女性は、あたしを見つけると、目を見開いて立ち止まった。



「あなた……」


「え?」


「あ、ごめんなさい、ジロジロ見て失礼でしたよね。

知ってる女の子にソックリやから、驚いて、つい」



女性はそう説明すると、


「私、この学校で4年生を担任している、江住といいます」

と、にこやかに会釈した。



「あぁでも、ホンマに似てるわ」


「あの……さっき子どもたちにも、そんな感じのことを言われたんですけど。あたしに似てる女の子って……?」



気になってたずねると

江住先生は「会わせてあげる」と、あたしを学校に招き入れた。



1学年に1クラスしかない、ちんまりとした校舎。


先生は廊下で足を止めた。



「……この子ですよ」