――それは、すぐには信じられない話だった。



「俺もメグちゃんから聞いたときは、藍に黙っていようと思ったんだ。

でも今の藍を見てたら、隠すべきじゃねぇと思ったから……」




斗馬くんが打ち明けてくれた話の内容は、こうだ。



斗馬くんとメグちゃんが最初に接点を持ったのは、やはり音楽室でのメールだった。



『藍さんのことで相談したいことがあります』


そう書かれたメールを、最初は無視していた斗馬くん。



だけど公園での出来事のあと、不信感がつのっていった彼はメグちゃんの話を聞くことにした。



待ち合わせで初めて斗馬くんに会ったメグちゃんは、肩を震わせて泣いたらしい。


『今まで誰にも相談できずに怖かった』と。