「…………は!?」
ぶったまげた表情で固まる斗馬くん。
そりゃあ、こんなこと言われたらムリもないだろうけど。
でもあたしは考えたんだ。
斗馬くんがこの部屋に泊まれば、下里さんと湯川くんは自動的に同じ部屋になれる。
あたしも少しくらい、下里さんに協力したくて……。
「ダメ?」
勝手に下里さんの恋をバラすわけにもいかず、理由を言わないまま斗馬くんにたずねると
彼はしばらく考えた後、うなずいてくれた。
「なんとなく理由は読めたし、そういうことなら俺も協力する」
「ありがとう……」
「……」
「……」
時計の針が指すのは10時半。
夜明けは、まだずっと先だ。