バイトの内容は主に雑用。
お皿洗いとか、清掃とか。
でも、たまに接客の仕事もある。
慣れない上に人見知りなあたしは不安だったけど
リゾートの開放的な空気、そして斗馬くんのさりげないフォローのおかげで、何とかこなす事ができた。
毎日忙しいのに、なんか楽しい。
こういうのを充実感って言うのかな……。
普段とまるで違う生活は、あたしに新しい風を吹きこんでくれている気がした。
「あ~、今日もクタクタ~っ!」
畳に敷いたふとんに、ゴロンと寝転がって下里さんが叫ぶ。
従業員用の部屋はホテルの一角にあり、あたしは彼女と相部屋。
「ここのスタッフたちさぁ、私のこと女だと思ってないよ。
平気で力仕事させるんだもん。
失礼だっつーの」
あたしはドライヤーで髪を乾かしながら、彼女の話にクスクス笑う。