夜から始めた大掃除が終わる頃には、朝になっていた。
思ったより捨てるものが多くなったので、数回に分けて運んだ。
「……完了」
最後のゴミを出したあたしは、すっかり明るくなったゴミ捨て場で大きく息をつく。
そのときふと視線を感じ、辺りをぐるりと見ると
道ばたに駐車した、白い車が目にとまった。
気のせいかな……最近よくあの車を見かけるような気がするんだけど。
「藍ちゃん、おはよう」
近所のおばさんがゴミ袋を持ってやって来た。
「あ、おはようございます」
「まだ着替えてないの? 学校に遅刻するんじゃない?」
言われてハッと、何の準備もしていなかったことに気づく。
時間の早さに驚きながら、あたしは急いで学校に向かった。