「……あたしは…あんたたちなんか必要ないっ!」


「藍っ――!」



飛び出した家の外は
どしゃ降りの雨だった。







たとえば普通の女の子なら、こんなとき友達に泊めてもらうんだろう。

でもあたしにはそんな友達はいない。

携帯も財布も持ってきてないし、今からどうすればいいのかわからない。



だけど……家には帰りたくない。



あたしはなるべく濡れないよう軒下を選んで、あてもなく歩いた。


コンビニの灯りを見つけたとき、急に空腹を感じた。


そういえば今日は何も食べていないんだ。

喉の渇きは限界まできている。


あたしは財布もないくせに、ふらふらとコンビニの自動ドアをくぐった。