サンダルを脱ぎ捨てて、リビングにかけこむ。


「ねぇ、もう水まき終わったのー?」

母が洗濯機の前から不思議そうに言ったが、


「しらない!」

と叫んで、私は2階へ走った。



ベッドに突っ伏す。


バカバカバカバカバカバカ



はじめは正彦への怒りが、時間がたつと自分への怒りへ変わってゆく。


……バカは、私だ。