バスに乗っている間、私はナツのことを話した。

もちろん、正彦への片思いの話は飛ばしたが…。

意外にも、正彦は真剣に聞いてくれて、

「光、大変だったんだな」

と、やさしい言葉をくれた。


こういう所が、本当に私を好きにさせるんだろーな…。



駅前から飲み屋街を抜け、私たちはナツのスナックへ急いだ。


店が遠くに見えた時に、私の嫌な予感は大きく膨らみ、現実のものになろうとしていた。

遠くからでも、閉まったシャッターに貼り紙がしてあるのが見えたからだ。