元々仲良しみたいで、よく喋っている姿を教室でも見ていたけれど。

こんなにもテンポ良く、息の合った会話が展開されると思わなくて、つい呆然と見つめてしまった。


「ふふ」

そして顔を歪めた青野君を見ていたら、思わず口から声が零れる。


ふしぎ。

さっきまであんなに泣いていたのに。



もう私、笑ってる。



「あ、良かったじゃん皐次郎、成功したみたいよ、あたしのおかげで」

「なんでお前のおかげなんだよ、オレだろ?」


続けられるふたりのやりとりに、視線を交互に動かす。

こんな状況なのに、ふたりはすごい。


大庭君と霧崎君は会話に参加してこなかったけれど。

ふたりのおかげで沈んだ教室が、少し波に乗れた気がした。