瞼(まぶた)がぱんぱんに腫れてるんだと思う。

さっき青野君が貸してくれたタオルも濡れてしまった。


みっともないぐらいに声をあげて泣き続ける私を、皆は黙って待っていてくれた。

ようやく涙が減ってきて、顔を上げたらにっこり笑う日下さんと目が合う。



知られたくなかった、知られてしまって恥ずかしい。


そんな感情も確かにある。


でもそれ以上に、少しだけとはいえ軽くなった気持ちもある。



私が泣いたせいで、教室が沈みこんでしまって申し訳ない。

でも泣かせてくれたみんなには感謝してる。



最後の涙を拭って、深呼吸をすると青野君が鼻の頭を掻いているのが見えた。