「足……悪いとか?」
「脚に痣がある」
日下さんの質問に答えたのは私ではなく、彼。
やはり、という驚きと恐怖の感情に唇を噛み締めた。
「……アザって、えーと生まれつきみたいな?」
遠慮しながら誰よりも先に日下さんが聞いてくれた。
それは優しさなんだろうと思えて、少し気が楽になる。
たぶん、みんなは知らないと思う。
脚の痣はスカートに隠れるラインにあるし、他のものも露出しそうなところにはない。
日下さんの質問に、首を横に振ることも出来なかった。
他の3人はさすがに踏み込めないのか、遠慮しているのか、何も言わない。