青々と緑を茂らせた山が、とても綺麗だった。

秋にはどんな色になったんだろう。

冬は、雪がどれぐらい積もるのだろう。

野生のリスってどんなのだろう。





見たかったな。

でも、それだけじゃ駄目だった。





ばいばい。




小さく呟いて、最後の涙をすくった。

良く晴れた空と山のコントラストがほんとうにきれい。


腕時計に目をやる、5時半ちょっと前。


私は迷うことなく左足を一歩前へ踏み出し、地のない感覚に全体重を預けた。