痛いのは、もっと別のところ。



どうしようか、迷っていた。

言ってしまったら、何かが変わるかもしれない。

でもそれが、どういった方向に変わるかはわからない。


 


みんなの視線が、私に突き刺さる。

答えない私に、大庭君が眉をしかめたのがわかった。

また何か言われるかもしれない。



そう身構えた瞬間。


私の左少し後ろから、かたん、と椅子が揺れる音がした。