みんなは、こんなところから、早く脱出したいんだ。


私はただ、繰り返す時の中、のんきに動かない外なんかを眺めていた。

だけどどうだろう、普通はこんな状況にいたら戻りたいと思うんじゃないだろうか。


いつものように放課後のおしゃべりを楽しんで、部活にいそしんで。

家に帰って、家族とご飯を食べ、ゆっくり眠る。



私のこの状況に対する“わからない”とみんなの“わからない”はきっと違う。





「乾、お前はどうだ?」

霧崎君の向こう側、大庭君が言う。



私?



私は――