不意に、耳元で霧崎君の声がした。

横を向けばすぐ側に腰をかがめて私の顔を見る彼の顔がある。


「ほんとに大丈夫か、辛いなら少し休め」

その言葉にみんなの視線が私に刺さる。

心配? 軽蔑? 疑惑?


わからない。

みんなの瞳が何色なのかがわからない。



「ううん……大丈夫。ちょっと混乱しちゃって」

声が震えた、動揺してるのが隠せない。

「しかたがないよ、あたしだってわっけわかんないもん」

「ねっ」と日下さんが同意を求めると、青野君は頷き、大庭君はただ私をしげしげと眺めていた。

霧崎君は否定も肯定もせず、腰を伸ばす。