「え、でもなんで日付も関係あるの? たまたま今日かもしれないじゃん?」

「あくまで可能性の範囲だ。なければないで消去すればいい」

大庭君と日下さんのやり取りに、脈が速まった。

その上、今まで忘れていたエピソードまで頭の中に浮かんでくる。





「乾? 大丈夫か?」

霧崎君の声が後ろから聞こえた。

俯いていた顔を上げ、振り返ると霧崎君の表情が曇っている。


私のことを心配しているようで、何か悩んでいるような……





やっぱり、彼は私のこと――