「思ったのだが」


しばらくして、大庭君が足を止めて黒板の前に立った。


「どうして5時24分から27分、正確には26分59秒だが、その時間を繰り返しているのだ?」



見上げているのはどこにでもありそうな、白くて丸い時計。

その黒い針はずっと変わることなく時間を繰り返し表示している。



「そういえば……そうだよね」


日下さんの声に、青野君も頷く。

確かにどうしてその約3分なのかがわからない。



「意味でもある、とかな」


みんなで首を捻っていると、霧崎君がぼそっと言った。

彼を見ればもうヘッドホンはしておらず、でも時計ではなくて窓の外をただ見ているよう。