何を考えているんだろう、そう思って眺めていたら気付かれて目が合ってしまった。



「霧崎、お前はまたいつものように、自分は関係ないという態度を取る気か」


逸らすにも逸らせなくて困っていると、大庭君の声が彼に向かっていった。

霧崎君の視線も、すぐに大庭君へと動いて、ほっとしてしまう。



彼の目に、見られることがちょっと怖い。





「いや、別に」

ヘッドホンを外して言う霧崎君の態度に、大庭君が眉を寄せた。

「なら少しは協力して考えてくれないか」


ふたりのやり取りに妙にどきどきしてしまう。

普段のふたりの関係を知らないけれど、なんだかあまり仲は良くないみたいだ。