「何故携帯電話をもっと早くに出さなかった」
「え?」
「お前、持っていることにもっと早くから気づいていたんだろう」
その声が、怖かった。
その瞳も、怖かった。
確かに携帯電話を持っていることにはちょっと前に気づいたけれど。
それは時計のことが話題になって忘れていただけ。
でもきっと大庭君は私がかなり最初の方から携帯電話に気づいていたと思っているんだ。
私がポケットから何も言わずにすんなり出したから。
だから、すぐに出さなかった私を――
――怪しんでる?
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