日下さんも青野君のせいではないと理解しているみたいで、袋を外してから笑顔で首を振った。


「ごめんね、急に苦しくなっちゃって。もーだいじょーぶ」


涙の溜まった目を手の甲で擦る彼女は、いつも以上に明るい。


 
「無理しないでね」

そっと横で言うと「ありがとう、平気だよ」と笑顔が返ってきた。



強いな、こんなときに笑顔でいられるなんて。

ちょっと、羨ましい。


 


「話を戻すが、時間が繰り返すだなんて信じられるか?」


大庭君がその場を切り替え、みんなが時計に注目する。

時計の針はちょうど26分40秒を指していた。