「マジかよ!?」


大きな声にはっとする。

目を向ければ、日下さんの説明を青野君も聞いていたのか、慌てて窓へと張り付いた。

大庭君もそれに続き、日下さんも窓の方を向く。


 

 
「マジだ……誰もいねぇ」


次に彼の口から出てきた言葉は、絶望に包まれていた。

私も見てみるが、確かにグラウンドには人影がない。


それどころか、いつもだったら見かけるカラスやスズメ、トビの姿も見えないし。

校門の先にある道路に車の形すら見当たらない。


大庭君は反転してドアに近づき外を窺うものの、やっぱり同じらしく首を左右に小さく振った。