「乾の意志が具現化する世界ならば」

「自分で願うんだ。生きてるように」


どれだけ優しくされても、怒られても未だ後ろに引かれている私を。

彼らは諦めてくれなかった。


「大丈夫だから、あたしすぐに向うから!」

槍は全て、私の影を貫いてゆく。



影は囁く、声は怒鳴りつける。

痛みは身体を駆け巡り、苦しみは心を締め付ける。


それでも。

両手を覆う暖かさと、痛みが。


私の小さな欠片を拾ってくれた。



『なんもわかってないだろう!』

そうだね、わかってないかもしれない。

このよっつの手に応えることが、正しいかどうかなんてわからない。


だけど、今この手に伝わる確かな感触は。

とても大事な気がしたから。



もう、私はおもわない。