一瞬、頭がついていけなかった。

ぼうっとしたまま、必死にその言葉を咀嚼(そしゃく)して飲み込む。


私も……そこに含まれるの?

一緒で……いいの?


何も言えずただ見つめていたら、霧崎君は静かに頷いてくれた。


その瞬間、膨らんだ気持ちが弾けて飛んだ。


そして同時に、今まで私たちを包んでいた半透明の膜も弾けて消えた。

まるで水風船が破裂したかのように、ぱしゃあんと音を立てて、消えていった。



「弥八子! 霧崎!」

すぐに聞こえてきたのは日下さんの声。

続けて椅子を引く音と、3人の足音が聞こえてくる。

目の前の霧崎君は、まだ優しく微笑んでいてくれた。


「大丈夫か」

「出てきて良かったよ」

その瞳を確認してから、私は大庭君と青野君の声に振り返ろうと身体を動かした。