「……人のせいにしたくなるよな」
少しだけ沈黙が漂ってから、ぽつり、霧崎君が言った。
「こんな状況になったのは自分のせいじゃない、自分は悪くない。だけどそれは、自分にも原因があるってわかってる、だからそう思いたくなる」
「……みんなそれぞれにも理由があるってこと?」
わからなくはなかった、みんな何かしら悩みを抱えていた。
だけど悩みのない人間なんているのだろうか。
そんな疑問を抱えていたら、霧崎君に伝わってしまったのか「もちろん、誰だってみんな悩みはあるさ」と答えられた。
「だけどな……死のうとして、どうして3分間を繰り返す教室に閉じ込められたと思う?」
そして続いた質問に、私は息を止めた。
“どうして”
確かに理由はわからない、ただ私が産まれた時刻辺りであろう時間を繰り返していることからも私が何かしら原因なのだと思っていた。
執着? 後悔?