「……それは、自殺という意味か」
「……うん」
だけど兄からの暴力はもうみんな知っている。
思い出してみればあのきっかけを与えてくれたのは霧崎君、もちろんその理由までは知らなかっただろうけれど。
あのときから、そんなに時は経っていないのに。
少しだけ、心が大きくなった気がする。
「今日は私の誕生日、生まれたのも5時半ぐらい……それに飛び降りたんだから……やっぱり私が……原因だと思う」
もっともだからと言って性格が変わったわけじゃない。
私の言葉に大庭君が大きな溜め息をついた瞬間。
青野君が頭を抱えて項垂れた瞬間。
日下さんの丸い瞳が見開かれた瞬間。
身体はびくりと震え、心はからからと音を立てて空転してゆく。