でも、よく考えてみたら。


私はさっき確実に屋上から飛び降りたはず。

なのに生きているどころか無傷で教室にいる。


もし生き延びていたのなら、いるところは病院が妥当(だとう)だと思う。


なのに教室、しかも他の子もいる。




――これって、どういうことだろう。





「まあとにかくオレ部活戻るわ。じゃあな」


何か日下さんと話していたらしい青野君がそう言ってドアに手をかけた。

日下さんもそれに続くらしく、その後ろに立っている。


「ちょっと、早く開けてよ」


でも何故か青野君はドアを開けない。

後ろから日下さんが急かしているけれど、ドアは何の音もたてず、ただ青野君が力んでいる姿が見えた。