「どうして教室に閉じ込められたのか、その理由を。そして事情を知る霧崎が乾をかばっているように思えるんだが」


心臓が、ぎゅうっと縮こまったような気がした。


だってそれは、私も疑問に思っていることだったから。

霧崎君とは本当に喋ったことがなかった、だからただのクラスメイトの関係だ。


でも、傍から見てもそう見えるということだろうか。

私だけが思うならただの過剰な意識かもしれない、それでも大庭君もそう思うなら。



じゃあ、やっぱり。



霧崎君は落ちる私を見た記憶があるの――?





「正直に答えてくれ、別に責めたいわけじゃない」

急激に活発になった心臓と戸惑いを隠せない開いたままの口。

「本当に今日初めて喋っただけ」と言うべきなのかわからない、迷いが生まれてしまう。


隣に立ってくれていた日下さんの視線も感じる。

彼女も気づいていたのだろうか、疑問に感じていたのだろうか。