わかんない、わかんないよ。
なんで、みんなを巻き込んだの?
囚われるなら私ひとりで良かったのに。
私がただ死ねば良かったのに――
「乾?」
「っ!!」
急激に血の気が引いた気がしたら、いつの間にか霧崎君の腕に支えられていた。
目の前が霞む、頭が呆けている。
「大丈夫か?」
青野君の心配そうな顔が映る。
「疲れてるんだ、いいから休め」
霧崎君の声が聞こえたら、青野君の顔は消える。
力の入らない身体が再び椅子の上に乗り、そのまま机にもたれかかってしまった。
貧血?
そう思ったときには、柔らかくて埃っぽい布に包まれて。
抵抗なんて考えられず、私は意識を手放した。