手の中で、チョコレートの箱がぐしゃりと潰れた。
「なんで止めんだよ!? これでオレたち出れるかもしれないだろ!」
「そうと決まってはいない。情報は取捨選択すべきだ」
ぼうっとしている横で、ふたりが向かい合って小さな言い争いをしていた。
止めなきゃ、私のせいでまたみんなが険悪になる。
だけど、だけど。
私に止める権利なんて、ないよね――?
「これって大事なことじゃねぇの? 何でお前が大庭に言うのを止めるのかがわかんねぇよ」
「あいつはすぐに厳しく言うだろう。それがいいとは思えない。それに仮に乾が原因だったとしてどうやってこんな状況を作れるんだ? 不確かなことで救えない希望と無駄な争いは避けた方がいい」
「なんで止めんだよ!? これでオレたち出れるかもしれないだろ!」
「そうと決まってはいない。情報は取捨選択すべきだ」
ぼうっとしている横で、ふたりが向かい合って小さな言い争いをしていた。
止めなきゃ、私のせいでまたみんなが険悪になる。
だけど、だけど。
私に止める権利なんて、ないよね――?
「これって大事なことじゃねぇの? 何でお前が大庭に言うのを止めるのかがわかんねぇよ」
「あいつはすぐに厳しく言うだろう。それがいいとは思えない。それに仮に乾が原因だったとしてどうやってこんな状況を作れるんだ? 不確かなことで救えない希望と無駄な争いは避けた方がいい」