「食糧はともかく水すらないな」


何気なく三角形の形で向かい合っていたら、霧崎君が呟いた。

その瞬間、青野君の目が見開かれる。


そういえばそうだ。

私たちはここに閉じ込められたけれど、教室には普段以上に何もないのだ。


鞄でもあれば誰かが何か持っていたかもしれない。

だけど私たちが持っているのは携帯電話や身につけていたもののみ。



考えていなかった。

多分、そんなに長い間閉じ込められると思ってなかったから。

もしくは夢とかで現実じゃないと思ってたから?


「そこまで気がいかなかったな……」

私と同じだったのか青野君が溜め息を吐く。

その単語を聞けば、喉が乾いてくるような気がするから不思議だ。