全身の毛穴が開く。 額に汗がにじみ、口が渇く。 もしわかっているのなら「しなくていい」と言ってくれた彼は何を考えているのだろうか? 私を庇おうとしているのか。 霧崎君は、何がしたいの―― そろそろと彼を窺ってみるも、机に軽く腰掛けて窓の外を見ているだけ。 3人の言い争いには興味を示さず、無に近い表情で動かない空を見ているだけ。 彼のことが、わからない。