5番打者がライトに奥深い犠打を放ち、タッチアップで修司がホームイン。


桜花、1点。


続く6番打者が放った打球は、ショートに転がった。


ところが、予想打にしないことが起きた。


あの、岸野がその打球をグローブで弾いて内野安打となり、一死1塁。


7番打者がセンター前に転がし、一死1、2塁。


8番打者、9番打者の連続長打で、一気に点数を許してしまった。


首筋が、不快な汗でにじむ。


肩が重い。


野球って、こんなにきついものだったか?


苦しいもんだったか?


こんなに、怖いものだったのか。


まだ2回の表なのに、気付けば桜花の打順が一回りしようとしている。


1番打者が、また、バッターボックスに入る。


でも、そこを救ってくれたのは、岸野だった。


岸野は、そういう男だ。


自分のミスくらい、自分で取り返す。


1番打者が上げたフライを捕った岸野が、飛び出していた2塁走者を刺し、ゲッツー。


スリーアウト、チェンジ。


この回の終わりはいつ来るのだろうかと思ってしまったほど、長い2回の守備だった。


長くて、果てしなく感じて、苦しかった。


序盤から、おれたちは桜花に突き放された。


桜花大附
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2回、裏の攻撃。


4番、健吾がライトの深めに放った打球を、桜花の右翼手がダイビングキャッチ。


5番、勇気は三振。


しかも、3球、見逃し三振。


6番、村上はセカンドライナーで打ち取られた。


3回、表。


またしても、おれの球は修司に捕まった。


長打を連続で浴び、点差はあれよあれよという間に、6点差になっていた。



桜花大附
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