続いた南高2番打者、大輝が打った打球はショート寄りの二遊間を抜け、センター前ヒット。


ノーアウト、1、2塁。


チャンスだ。


序盤の立ち上がりが明暗を分ける、そう予想されていた1回戦。


南高と明成高校の力の差は、投打ともに互角と地元スポーツ新聞に掲載されていた。


ずば抜けて素晴らしい投手がいるわけじゃなく、確実な主砲がいるわけでもない。


明成
000 000 000 0
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
200 001 000 3




ナインの打撃と固い守備に救われ、南高校が勝利をおさめた。



翠の意識が戻らないまま、おれたちは1つ、コマを進めた。









7月24日


対戦校は、第2シードの東雲高等学校。


先攻 私立東雲高等学校


後攻 県立南高等学校


シーソーゲームとなった、2回戦。


序盤から、おれは集中打撃にあった。


投球は乱れ、初回は散々。


しかし、大輝、健吾、勇気、岸野が合計で14安打を放ち、シーソーゲームに。


初回から点数を許したおれたちは、5回に健吾を筆頭にした長打連続で逆転。


しかし、7回に見事にひっくり返された。


でも、南高校は意地で引き下がらなかった。


8回に、再び連打。

犠打、盗塁、連打、と再逆転。


最終回、この1イニングだけが投手戦となった。


東雲
201 000 400 7
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
000 140 130 9



野球の神様は、南高校の意地のねばりに味方した。