「きみのゆめ……こがねにそまる……しろいたま」
その一句の下には、小さく小さくP.Sが添えられていた。
P.S
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
補欠の一球に
あたしの人生をかけてみようと思います
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
みどり
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「翠っ……」
目頭がぐっと熱くなった。
おれは、翠の黒魔術というやつに、まんまとかかってしまったらしかった。
「さえちゃん、ごめん!」
「何? どうしたのさ」
「練習、行ってもいいかな」
紙をポケットに押し込み、スポーツバッグを背負って立ち上がったおれに、さえちゃんは笑顔で頷いた。
「行きな! 翠なら不死身だから大丈夫! 後で連絡入れてあげるからさ」
思いっきり投げてきな、とさえちゃんはピッチャーの真似をして右腕を降り下ろした。
「さんきゅ!」
そう笑顔を返し、待合室のドアを開けて、おれは振り返った。
「おれさ、こう見えても、南高のエースなんだ」
うん、とさえちゃんが微笑みながら頷いた。
「絶対、連れてくんだ。翠を、甲子園に」
約束なんだ、と言い、おれは病院をとびだした。
その一句の下には、小さく小さくP.Sが添えられていた。
P.S
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補欠の一球に
あたしの人生をかけてみようと思います
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
みどり
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「翠っ……」
目頭がぐっと熱くなった。
おれは、翠の黒魔術というやつに、まんまとかかってしまったらしかった。
「さえちゃん、ごめん!」
「何? どうしたのさ」
「練習、行ってもいいかな」
紙をポケットに押し込み、スポーツバッグを背負って立ち上がったおれに、さえちゃんは笑顔で頷いた。
「行きな! 翠なら不死身だから大丈夫! 後で連絡入れてあげるからさ」
思いっきり投げてきな、とさえちゃんはピッチャーの真似をして右腕を降り下ろした。
「さんきゅ!」
そう笑顔を返し、待合室のドアを開けて、おれは振り返った。
「おれさ、こう見えても、南高のエースなんだ」
うん、とさえちゃんが微笑みながら頷いた。
「絶対、連れてくんだ。翠を、甲子園に」
約束なんだ、と言い、おれは病院をとびだした。