「凪さん、お弁当を作ってきたんですが、一緒にいかがですか?」
沙織さんは大きな保冷バッグを持っていて、中には美味しそうな料理が並んでいた。
「不安で眠れなくて、つい沢山作っちゃった」
「私も手伝ったんだよ」
柚良は照れくさそうに笑い、ピースする。
「二人ってそんなに仲よくなったの?」
疑問に思って尋ねると、柚良と沙織さんは顔を見合わせて笑う。
「あのあと一緒にお茶をして色々話したの。今では妹みたいに思ってる」
沙織さんが笑い、柚良も微笑んでいる。
「良かったー……」
二人とも緋一さんを挟んで複雑な関係にあったから、それが解消されて一安心だ。
「食卓が豪勢になるね。美味しい物は大歓迎だよ。二人とも座って」
凪さんは機嫌良く言い、お皿に二人が作った料理を盛っていく。
神野さんは終始戸惑った様子でオロオロしていたけれど、彼の気持ちを察した沙織さんがスパッと言った。
「多分、緋一たちはもう結論を出しているんですよね? 私は彼から結果を聞きますし、それでよしとします。だからそんな顔をしないで」
続けて柚良も言った。
「私も同意見です。私より千秋のほうが酷い目に遭ったし、彼女が『これでいい』と決めたなら、私は何も言いません」
彼女たちの言葉を聞き、神野さんは苦笑いする。
「……女は強いな」
すると二人は頼もしく笑った。
「今どきの女性は強くなきゃやっていけません。私、これでもあのカフェを成功させた、やり手オーナーなんですから」
「私だって本来は色恋で感情を乱したりしません。将来は親の会社を継ぐつもりでいますし、ドンと構えられる女でいたいんです」
「だってさ」
緋一さんが笑いかけると、神野さんは「参った」と言って少しだけ笑った。
そのあとは皆で美味しい朝食をいただいた。
食後に紅茶を飲んでいる時、私は凪さんに尋ねる。
「連絡先を交換してもらってもいいですか?」
「いいよ」
今度は快諾してくれた彼女は、メッセージアプリのIDを教えてくれる。
「このブレスレットを持っていたら、またお店に来られますか?」
「店に入ったからには何かしら働いてもらうよ? 実験台の話もあるしね」
「うっ、そうだった……」
そんなやり取りを、みんなは微笑んで見守ってくれている。
「光輝は最初、『幽霊なんて見えないほうがいい』って言っていたけど、今もその願いは変わらない?」
光輝さんは微笑んで答える。
「ずっと『幽霊が視える』と言ったら変な奴扱いされましたし、煩わしさが増えるだけで、何もいい事はないと思っていました」
そのあと、彼はすっきりした表情で続ける。
「でも、視えた事で兄貴を見送れましたし、この体質だからカクを降ろしてみんなの役に立てました。……だから、このままでいいです。神職に就く事とも向き合い、兄貴に託された家族、神社、皆のために自分は何ができるかを考えていきたいです」
光輝さんの答えを聞き、凪さんは満足げに笑った。
「ん、分かった。そうしな」
紅茶を飲み終えたあと、私たちは帰路につく事にした。
「じゃあ、お世話になりました!」
私たちは商品棚の間を通って出入り口に向かう。
「お客様のお帰り~!」
カクの声がし、私は鹿頭に向かって手を振った。
「じゃあね、カク。色々ありがとう!」
「惚れるなよ……」
「惚れんわ」
相変わらずの神様に突っ込んだあと、私は凪さんとカクに手を振って店を出た。
沙織さんは大きな保冷バッグを持っていて、中には美味しそうな料理が並んでいた。
「不安で眠れなくて、つい沢山作っちゃった」
「私も手伝ったんだよ」
柚良は照れくさそうに笑い、ピースする。
「二人ってそんなに仲よくなったの?」
疑問に思って尋ねると、柚良と沙織さんは顔を見合わせて笑う。
「あのあと一緒にお茶をして色々話したの。今では妹みたいに思ってる」
沙織さんが笑い、柚良も微笑んでいる。
「良かったー……」
二人とも緋一さんを挟んで複雑な関係にあったから、それが解消されて一安心だ。
「食卓が豪勢になるね。美味しい物は大歓迎だよ。二人とも座って」
凪さんは機嫌良く言い、お皿に二人が作った料理を盛っていく。
神野さんは終始戸惑った様子でオロオロしていたけれど、彼の気持ちを察した沙織さんがスパッと言った。
「多分、緋一たちはもう結論を出しているんですよね? 私は彼から結果を聞きますし、それでよしとします。だからそんな顔をしないで」
続けて柚良も言った。
「私も同意見です。私より千秋のほうが酷い目に遭ったし、彼女が『これでいい』と決めたなら、私は何も言いません」
彼女たちの言葉を聞き、神野さんは苦笑いする。
「……女は強いな」
すると二人は頼もしく笑った。
「今どきの女性は強くなきゃやっていけません。私、これでもあのカフェを成功させた、やり手オーナーなんですから」
「私だって本来は色恋で感情を乱したりしません。将来は親の会社を継ぐつもりでいますし、ドンと構えられる女でいたいんです」
「だってさ」
緋一さんが笑いかけると、神野さんは「参った」と言って少しだけ笑った。
そのあとは皆で美味しい朝食をいただいた。
食後に紅茶を飲んでいる時、私は凪さんに尋ねる。
「連絡先を交換してもらってもいいですか?」
「いいよ」
今度は快諾してくれた彼女は、メッセージアプリのIDを教えてくれる。
「このブレスレットを持っていたら、またお店に来られますか?」
「店に入ったからには何かしら働いてもらうよ? 実験台の話もあるしね」
「うっ、そうだった……」
そんなやり取りを、みんなは微笑んで見守ってくれている。
「光輝は最初、『幽霊なんて見えないほうがいい』って言っていたけど、今もその願いは変わらない?」
光輝さんは微笑んで答える。
「ずっと『幽霊が視える』と言ったら変な奴扱いされましたし、煩わしさが増えるだけで、何もいい事はないと思っていました」
そのあと、彼はすっきりした表情で続ける。
「でも、視えた事で兄貴を見送れましたし、この体質だからカクを降ろしてみんなの役に立てました。……だから、このままでいいです。神職に就く事とも向き合い、兄貴に託された家族、神社、皆のために自分は何ができるかを考えていきたいです」
光輝さんの答えを聞き、凪さんは満足げに笑った。
「ん、分かった。そうしな」
紅茶を飲み終えたあと、私たちは帰路につく事にした。
「じゃあ、お世話になりました!」
私たちは商品棚の間を通って出入り口に向かう。
「お客様のお帰り~!」
カクの声がし、私は鹿頭に向かって手を振った。
「じゃあね、カク。色々ありがとう!」
「惚れるなよ……」
「惚れんわ」
相変わらずの神様に突っ込んだあと、私は凪さんとカクに手を振って店を出た。



