「女たちはお前を見てキャーキャーしてるし、お前だっていい気になってるだろ? 俺や他の奴らの事も見下してるし、皆の人気者を装っているが、本当は性格が悪いのを隠していい子ぶってるだけのくせに! それに俺が目を掛けてやろうと思った後輩を横取りしたよな!? 部長からも飯に誘われて、月間MVPにも何回も選ばれて、それで幼馴染みはSNS映えする人気のカフェの美人オーナー? できすぎだろ! お前のやってる事、存在、すべてが嘘っぽいだよ! この嘘つきが!」
彼の口から迸るのは、すべてただの妬みだ。大人ならそれぐらいの事を自覚できてもいいはずなのに、神野さんは表情を醜く歪めて緋一さんを罵っている。
(……いや、彼も緋一さんみたいに取り憑かれているのかもしれない)
その証拠に、神野さんが感情を高ぶらせると同時に、彼の輪郭が揺れるように黒いオーラがはみ出ている。
光輝さんを見ると、たじろいだ表情をしているものの、私を見てコクンと頷いた。
[あとでカクを呼ぶ。でも、まずは神野さんの話をすべて聞いてからだ]
「分かりました」
私たちがやり取りしている間も、神野さんは緋一さんへの恨み辛みをぶちまけていた。
「だからお前を嫌われ者にしてやろうと思ったんだよ。頭の悪そうな女と付き合ったら、あの花屋の女だってお前を敬遠するだろう?」
緋一さんは強張った表情で彼を見つめ、拳を握って言い返した。
「だからといって、関係ない女子大生を巻き込んでいい理由にはなりません。……千秋ちゃんはどこにいるんですか? 俺に渡したペンダントは、どこから入手したんですか?」
すると神野さんは憎たらしい顔で笑って舌を出した。
「俺は犯人じゃない。だから俺が警察に捕まる事もない。俺はただ知らない男から石を買っただけ。それが罪か? あの女子大生については、石が効かない上に『友達をもとに戻せ』ってしつこいから、相応の目に遭ってもらっただけだ」
私は神野さんの言葉を聞き、ハッとする。
(……言われてみれば、私はイタリアンバルで二人に変なペンダントをあげた神野さんの事を、ずっと疑っていたんだ)
霧に包まれていたように思えた記憶が、神野さんの言葉をきっかけに少し晴れる。
「〝相応の目〟ってなんですか? どうして関係ない彼女を巻き込んだんですか」
光輝さんは表情を険しくさせて問う。
すると神野さんはニタリといやらしい笑みを浮かべ、人を見下した表情で言った。
「あんな頭の悪そうなガキ、どうなってもいいだろう。この俺がせっかく一晩付き合ってやろうと誘ってやったのに、ブスのくせに一丁前に警戒して『お断りです』だぁ? 何様のつもりだよ!」
せせら笑った神野さんからはブワッと黒いオーラが立ち上り、悪臭がさらに増す。
頭痛がすると言っていた光輝さんは顔をしかめ、緋一さんは憧れていた先輩の変わりように眉間に皺を寄せる。
「あなたがやっている事は犯罪です」
光輝さんが咎めたけれど、神野さんは嘲笑するだけだ。
「はぁー? 犯罪? 俺、いつどこで犯罪をおかしましたか? なーんにも証拠がないんですけど。この家にあのガキがいるとでも思ったのか? そう思うなら探してみろよ! 自由にどこでも開けていいからさぁ!」
煽られて限界を覚えた光輝さんは勢いよく立ちあがり、「失礼します!」とトイレや洗面所、バスルームを見に行った。緋一さんもベッドの下や収納などを確認し始めたけれど、私はすでに何もない事を確認したから、黙って待つしかできなかった。
十分後、光輝さんと緋一さんは何もない事実に打ちのめされ、顔色を悪くしている。
「ほらな!? 俺は何も悪くないんだよ! お前らが悪いし、あのガキ共が悪い! 天罰が当たったんだよ!」
そんな二人を見て神野さんは哄笑し、――――命令した。
「光輝、緋一なんて殺っちまえ」
「――――はい」
えっ!?
何が起こった? と確認する間もなく、光輝さんは緋一さんに掴みかかり、首を絞め始めた。
彼の口から迸るのは、すべてただの妬みだ。大人ならそれぐらいの事を自覚できてもいいはずなのに、神野さんは表情を醜く歪めて緋一さんを罵っている。
(……いや、彼も緋一さんみたいに取り憑かれているのかもしれない)
その証拠に、神野さんが感情を高ぶらせると同時に、彼の輪郭が揺れるように黒いオーラがはみ出ている。
光輝さんを見ると、たじろいだ表情をしているものの、私を見てコクンと頷いた。
[あとでカクを呼ぶ。でも、まずは神野さんの話をすべて聞いてからだ]
「分かりました」
私たちがやり取りしている間も、神野さんは緋一さんへの恨み辛みをぶちまけていた。
「だからお前を嫌われ者にしてやろうと思ったんだよ。頭の悪そうな女と付き合ったら、あの花屋の女だってお前を敬遠するだろう?」
緋一さんは強張った表情で彼を見つめ、拳を握って言い返した。
「だからといって、関係ない女子大生を巻き込んでいい理由にはなりません。……千秋ちゃんはどこにいるんですか? 俺に渡したペンダントは、どこから入手したんですか?」
すると神野さんは憎たらしい顔で笑って舌を出した。
「俺は犯人じゃない。だから俺が警察に捕まる事もない。俺はただ知らない男から石を買っただけ。それが罪か? あの女子大生については、石が効かない上に『友達をもとに戻せ』ってしつこいから、相応の目に遭ってもらっただけだ」
私は神野さんの言葉を聞き、ハッとする。
(……言われてみれば、私はイタリアンバルで二人に変なペンダントをあげた神野さんの事を、ずっと疑っていたんだ)
霧に包まれていたように思えた記憶が、神野さんの言葉をきっかけに少し晴れる。
「〝相応の目〟ってなんですか? どうして関係ない彼女を巻き込んだんですか」
光輝さんは表情を険しくさせて問う。
すると神野さんはニタリといやらしい笑みを浮かべ、人を見下した表情で言った。
「あんな頭の悪そうなガキ、どうなってもいいだろう。この俺がせっかく一晩付き合ってやろうと誘ってやったのに、ブスのくせに一丁前に警戒して『お断りです』だぁ? 何様のつもりだよ!」
せせら笑った神野さんからはブワッと黒いオーラが立ち上り、悪臭がさらに増す。
頭痛がすると言っていた光輝さんは顔をしかめ、緋一さんは憧れていた先輩の変わりように眉間に皺を寄せる。
「あなたがやっている事は犯罪です」
光輝さんが咎めたけれど、神野さんは嘲笑するだけだ。
「はぁー? 犯罪? 俺、いつどこで犯罪をおかしましたか? なーんにも証拠がないんですけど。この家にあのガキがいるとでも思ったのか? そう思うなら探してみろよ! 自由にどこでも開けていいからさぁ!」
煽られて限界を覚えた光輝さんは勢いよく立ちあがり、「失礼します!」とトイレや洗面所、バスルームを見に行った。緋一さんもベッドの下や収納などを確認し始めたけれど、私はすでに何もない事を確認したから、黙って待つしかできなかった。
十分後、光輝さんと緋一さんは何もない事実に打ちのめされ、顔色を悪くしている。
「ほらな!? 俺は何も悪くないんだよ! お前らが悪いし、あのガキ共が悪い! 天罰が当たったんだよ!」
そんな二人を見て神野さんは哄笑し、――――命令した。
「光輝、緋一なんて殺っちまえ」
「――――はい」
えっ!?
何が起こった? と確認する間もなく、光輝さんは緋一さんに掴みかかり、首を絞め始めた。



