何が起こったのか分からない私は、慌ててもう一度自宅に電話をかける。
また母が電話に出たけれど、《いたずら電話ならお断りです!》と切られてしまった。
母に拒絶された私は呆然とし、もう少し経ってからまた自宅に電話を掛けた。
けれど迷惑電話設定をされてしまったのか、応答する事はなかった。
「…………ありがとうございます…………」
私は呆然として凪さんにスマホを返し、しばらく考えてから彼女にお願いをした。
「……す、すみません……。あの、電車代を貸していただけないでしょうか。必ずお返しします! なんなら、拇印を押して誓約書も作ります!」
私は凪さんに向かってガバッと頭を下げる。
「別にいいけど、今と同じ結果になると思うよ」
「どういう事ですか?」
嫌な予感を抱いて尋ねると、彼女はポケットにスマホをしまいながら言う。
「外に出て迷い人に追いかけられながらも三鷹の家に帰ったとしよう。でも千秋はご家族に会えても応じてもらえないし、認識してもらえない」
「~~~~っ、なんでそんな酷い事を言うんですか!」
苛立って声を荒げると、彼女は試すような目で私を見た。
「この店に来る途中、迷い人に追いかけられたんでしょ? 声を上げて助けを求めた?」
「はい」
「多分、みんな千秋に気づいていなかったと思う」
そう言われた私は、ガタッと椅子を鳴らして立ち、ツカツカと歩いて店の外に出ると、
思い切って通行人に話しかけてみた。
「あのっ、すみません!」
大きな声を上げたつもりだけど、通行人はまったく私を見ない。
「すみません! あの! 私が見えますか!?」
私は両手を大きく振り、通行人の前に立ちはだかって一生懸命目を合わせようとする。
けれど誰一人として私に気づいてくれないどころか、早足に歩いてきた男性にぶつかられてしまった。――が、
「えっ!?」
私の体はスッと男性の体を通り抜けてしまった。
呆然と立ち尽くしていると、カランとドアベルの音がし、凪さんが顔を出した。
「言った通りでしょ? 悪い事は言わないから店に入りなよ。迷い人が寄ってきてるよ」
周囲を見れば建物の陰から黒い靄が姿を現し、ジリジリとこちらに近づいている。
私は信じられない思いを抱きながら、店に逃げ込んだ。
また母が電話に出たけれど、《いたずら電話ならお断りです!》と切られてしまった。
母に拒絶された私は呆然とし、もう少し経ってからまた自宅に電話を掛けた。
けれど迷惑電話設定をされてしまったのか、応答する事はなかった。
「…………ありがとうございます…………」
私は呆然として凪さんにスマホを返し、しばらく考えてから彼女にお願いをした。
「……す、すみません……。あの、電車代を貸していただけないでしょうか。必ずお返しします! なんなら、拇印を押して誓約書も作ります!」
私は凪さんに向かってガバッと頭を下げる。
「別にいいけど、今と同じ結果になると思うよ」
「どういう事ですか?」
嫌な予感を抱いて尋ねると、彼女はポケットにスマホをしまいながら言う。
「外に出て迷い人に追いかけられながらも三鷹の家に帰ったとしよう。でも千秋はご家族に会えても応じてもらえないし、認識してもらえない」
「~~~~っ、なんでそんな酷い事を言うんですか!」
苛立って声を荒げると、彼女は試すような目で私を見た。
「この店に来る途中、迷い人に追いかけられたんでしょ? 声を上げて助けを求めた?」
「はい」
「多分、みんな千秋に気づいていなかったと思う」
そう言われた私は、ガタッと椅子を鳴らして立ち、ツカツカと歩いて店の外に出ると、
思い切って通行人に話しかけてみた。
「あのっ、すみません!」
大きな声を上げたつもりだけど、通行人はまったく私を見ない。
「すみません! あの! 私が見えますか!?」
私は両手を大きく振り、通行人の前に立ちはだかって一生懸命目を合わせようとする。
けれど誰一人として私に気づいてくれないどころか、早足に歩いてきた男性にぶつかられてしまった。――が、
「えっ!?」
私の体はスッと男性の体を通り抜けてしまった。
呆然と立ち尽くしていると、カランとドアベルの音がし、凪さんが顔を出した。
「言った通りでしょ? 悪い事は言わないから店に入りなよ。迷い人が寄ってきてるよ」
周囲を見れば建物の陰から黒い靄が姿を現し、ジリジリとこちらに近づいている。
私は信じられない思いを抱きながら、店に逃げ込んだ。



