Re死んだはずの俺は言われた。『あなたもその事故の原因です』


ピピピピッ――



スマホのアラームが鳴る。



それは、また俺にとって憂鬱な一日が始まることを告げていた。



教師になりたいと思ったことは無い。



それなのに俺は、教育実習生としてとある中学校へ向かう。



まあ、優秀ではないが教育大学を卒業しているので、おかしな話ではないのだが……。



……むしろ、おかしな話はここからだ。



そんなことを考えていたら、いつの間にやら指導員の先生に連れられ、教壇の前に立っていた。



「今日から十五日間、皆さんと一緒に勉強させてもらう楠本 修治(くすもと しゅうじ)です」



「よろしくお願いいたします」



共学の中学なので、生徒の半分は女子だ。



「えーっ」



「キャー」



「ヒソヒソ……」



教室が少しざわつく。



「あー、静かにしてください」



指導員の先生――つまりこのクラスの担任教師が声を掛けた。



「楠本先生には美術部の補助もしてもらいますので、皆さんよろしくお願いしますね」



慌ただしいわけでもない。



だが、何が起きていたのかあまり覚えていないまま時間が過ぎていく。



気が付けば授業は終わり、俺は教室を後にしようとしていた。



「先生って、やる気なさそうですよね」



一人の女子生徒が話しかけてきた。



もちろん初対面だ。



「そう見えるか?」



俺は少し答えに迷いながら返した。



「見えまーす」



女子生徒は元気よく答えると、そのまま去っていった。



「楠本先生」



指導員の先生が小さく耳打ちする。



「あの子は県会議員の娘さんでしてね。我が校としては少し気を遣う存在ですから、覚えておいてください」



いわゆるデリケートな存在だ。



「はい」



そう返事をした、その時だった。



視線の先に別の女子生徒の姿が目に入る。



特に何がどうというわけでもない。



普通の生徒だ。



強いて言えば少し浮いているような、大人しい感じの女子生徒。



はっきり言えば、少し暗い。





でも――



なぜか、その生徒が気になった。



妙な既視感を覚えたからだ。





そしてその日の授業を終え、美術部にも顔を出して、一日が終わった。





……疲れた。





俺は本来、人と関わるのが好きじゃない。





なぜか?





簡単だ。



傷つきたくないからだ。





関わらなければ、傷つくこともない。





じゃあ、なぜ俺が教師なんてやっているのか……。



それは――



俺の記憶の中に、もう一つの記憶があるからだ。