「絶対に死なないでね」と、君がそう言ってくれたから。〜未来へ進むため、僕と彼女の一歩目~

「……はあ」
 母さんのため息。
 息が苦しくなる。
「なんで、こんな小テストで、こんな点数……」
 今、母さんが手にしているのは、この間の数学の小テスト。
 予想通り、良くない点数だった。
 先生からは、「榊(さかき)、大丈夫か?」なんて心配されたくらい。
「……蒼眞(そうま)なら、満点とれる問題なのに」
「なんだよそれ……」
 俺の呟きは、きっと誰にも聞こえていなかった。
「……まあ、これからも頑張って」
 リビングのソファに座る母さん。
 ……もう、十分頑張ってるよ。
「はい……」
 そんな言葉は飲み込んで、母さんが求めているであろう言葉を口にする。
「……兄貴見習って、頑張るね」
 母さんは、なにも言わなかった。