「絶対に死なないでね」と、君がそう言ってくれたから。〜未来へ進むため、僕と彼女の一歩目~

「……榊(さかき)くん。食べる場所、変えたんだね」
「阿久津(あくつ)さん……」
 阿久津(あくつ)さんに、俺の昼休みの居場所を知られた翌日から、違うところで昼食をとるようにしていた。
「また探したよー。疲れたー」
「……なんで俺に関わるの?」
 冷たい言葉で突き放す。
 そうでもしないと、諦めないだろうと思ったから。
「なに?偽善者ぶってるの?俺がいじめられてて可哀想だから?」
「……榊(さかき)くんが、壊れそうだから」
「なにそれ……。もう関わらないで。…………俺といても、不幸になるだけだよ」
 昼食をとるのは諦めた。
 阿久津(あくつ)さんに、迷惑をかけるわけにはいかない。
「……榊(さかき)くん!待ってよ……」
 絶対に振り返らない。
 振り返ったら、きっと、あの寂しそうな瞳で、俺を見ている。

 この後の数学の授業で行われた小テストは、阿久津(あくつ)さんのことを考えていたせいで、全く解けなかった。
 まあ、阿久津(あくつ)さんは、悪くないのだけれど……。