『……ただの罪滅ぼし、かな』
阿久津は、あの日以来、徐々に元気がなくなってきていた。
校舎裏に来ても、無言の時間が増えた。
俺は、他人と話すことに慣れていないから、上手く話せない。
いつもは阿久津が、どんどん話してくれていたのに、今は全く話してくれない。
阿久津が、どれだけすごかったのか、ようやく分かった気がする。
「……もうすぐ、期末テスト、だね」
「うん、そうだね……」
テストが嫌いなのかと思ったけれど、別にそういうことではないだろう。
今まで見てきた限り、一学期の期末テストの時も、二学期の中間テストの時も、普通だったから。
それに、勉強ができない俺とは違って、阿久津は頭が良い。
そこまで悩むことでもないのだろう。
でも、阿久津は日に日に落ち込んでいた。
気になるけれど、怖くて聞けない。
『……ただの罪滅ぼし、かな』
阿久津が、そう苦しそうに言った日から、元気がなくなっていた。
……なにか、あったのだろうか。



