「絶対に死なないでね」と、君がそう言ってくれたから。〜未来へ進むため、僕と彼女の一歩目~

「……あ、来た。榊(さかき)!」
「阿久津(あくつ)さん……」
 やっぱり、また来たのか……。
 少しモヤモヤしながら、阿久津(あくつ)の隣に座る。
「……もう、来ないでもらえますか?迷惑なので」
「……ごめんね。でも、どうしても気になるから。榊(さかき)くんのこと。……いつか、いなくなっちゃうんじゃないか、って」
 いつか、ね……。
 俺は、今日死ぬつもりだ。
 つまり、今日いなくなる。
「……もう、関わらないでください」
 そう言って、立ち上がる。
 誰とも話したくなかった。
「……榊(さかき)くん!」
 絶対に振り向かない。
 振り向いちゃダメだ。
「――絶対に死なないでね」
 その言葉に、反応してしまう。
 思わず、振り向く。
 ……阿久津(あくつ)の瞳は、切実で、真っ直ぐで、悲しそうだった。