オネエの同級生にスキンケアを叩き込まれています

 両想いになった俺の学校生活は、両想いになる前とさほど変わらない。
 男同士の恋愛だから、公表して騒がれても大変だからと秘密にしているからだ。
 俺にとって、日向はちょっと意地悪だけど、眼差しが飛びきり優しくて甘くて眩しい恋人で、誰にも渡す気なんてない最高の恋人だ。
 俺を好きになったけど、それまではノンケだったという恋人は、オネエ言葉をつかっている。
 ノンケなのに、どうしてオネエ言葉を遣うのか。
 謎は尽きない。
 もしかしたら、本当はオネエで、それを俺に合わせて誤魔化している説もある。
 過去がどうであれ、今が大切なのは変わらない。
 変わらないけど、嘘をつかれてるとしたら面白くない。
 俺は全部曝けだして、隠していることなんて何一つないのに……。


 学校帰りの平日。
 俺の家で、日向と一緒に勉強するのが日課になった。
 旭兄たちもいる時は、みんな一緒にリビングで勉強し、いない時は俺の部屋で勉強する。
 本当は、旭兄たちがいても、自分の部屋で勉強したい。
 学校だとイチャつけないから、自分の部屋で勉強の合間にキスとか……キスとか……ハグとか……いつかはそれ以上もあればって思っている。
 けど、旭兄たちがいる時に自分の部屋で勉強していると、乱入してくるんだよね。
 俺が恥ずかしがって、俺たちがまだ恋人同士なのを伝えてないから、仕方がないんだけど。
 それに、男同士で付き合ってますと告白したところで、認めてくれるとは限らない。
 こういうのは時期を見て、報告しないと。


 他にもまだ不満がある。
 土日祝日、日向は母親の仕事のアシスタントでほとんど会えない。
 酷ければ、金曜日の夜から出掛けるからと、放課後のデートも出来ない。
 日向には夢を叶えてほしいと思ってるし、邪魔したくない。
 でも、土日祝日なんて、普通は一日一緒にいられる恋人たちの夢の時間だ。
 毎週なんて言わない。
 時々でいいんだ。
 俺も日向と一日デートをしてみたい。
 遠くに出掛けなくていい。
 ショッピングとか、映画とか、近所の祭りとか、日向と一日一緒だったらどんなに楽しいかなと考えてしまう。
 あと、オネエ言葉を遣うとはいえ、日向はイケメンだ。
 下手したら数日も会えない間、綺麗な女性に言い寄られたり、俺なんかより可愛い男の子に頼られていたりするんじゃないかと、気になって仕方がい。

 幸せなはずなのに、それだけじゃないのが恋愛なんだって、知って初めて気づいた。

 けど、キスしている時は、そんな不安も吹き飛んでしまう。
 だって、日向の唇に触れた瞬間から心臓が持たないくらい高まって、触れている感触や味や熱で頭がいっぱいになってしまって、それ以上考えられなくなるから。

 だから、もっといっぱいキスがしたい。
 ずっとキスに溺れていたい。
 そう願ってしまうんだ。