「温、ノート忘れた!先、歩いてて」
箱星の声、温と呼ぶこと、全然慣れない!
今も、心臓がドクンと、うなった。
2限目の移動教室。
理科室は渡り廊下を渡った隣の棟。
しかも4階って、遠すぎる。
久しぶりの運動だな…
移動教室を、運動と捉えてるのは、僕だけかも。
そんなことを考えながら
最近、ふと気づいたことを思い返す。
箱星の声は、なぜだか分からないけど、僕の心臓にダイレクトに届く。
だから、ビリビリしたり、ギュッとなったり、
グゥーンと苦しくなったり、うなったり、
ドンって重くなったりする。
これは好きとか、そういうことではなく、ただ声がダイレクトに届くというだけ。
多分、箱星が歌手になったら、その歌声は世界中の人の心に響くんだろう。
「おい!」
背後から、呼び止める声、ドギっとしながら振り返る。
僕のことじゃないよね…
振り返ると、ウチのクラスの一軍男子3人が、僕に近づいてくる。
えーなんですか?
後退りし、背中と壁がピタリとくっつく。
「箱星のこと、どうやって、たらしたの?」
たらす?
「えっと…」
「どうやって、お前らみたいなダサい底辺の奴らと、一緒にいることに、なったのか?って聞いてんの?」
「なんか、箱星の弱み握ってんの?」
「いや、弱みとかは別に、無いと思う」
「はぁ?」
3人がジリジリと近づいてくる。
もう、下がれないのにー
「あの、箱星は弱みなんて無い。性格も良くて、完璧で。ほんと、僕には、もったいない友達で」
僕は、友達になってくれた箱星を、いい奴だってことをわかって欲しかった。
「もったいないねぇ…お前にとって箱星って何なの?」
何?…何?だからそれは、
「宇宙、宇宙のように遠い」
「遠くないじゃん、今は、隣にいるじゃん」
一軍3人は、ヘラヘラと僕を囲む。
僕は完全にテンパって
「と、隣には居てくれてるけど、宇宙は宇宙で。だから、苦しくて重くて、だけど一緒に」
3人の視線が、僕から逸れ、1点に集まる
「箱星、コイツ、お前と居ると、重くて苦しいんだって」
3人の視線の先から箱星が、歩いてくる。
寂しそうな顔?
「底辺のコイツらと、俺らとじゃ、住む世界が違うんだよ。今なら、こっちに戻ってきてもいいけど」
どうしよう…そんなつもりじゃないのに。
僕が箱星を傷つけてる。
どんな顔して箱星を見ればいいか分からない。
僕は、うつむいた顔をあげられずにいた。
「住む世界が違うのは、鮫島、お前らとだよ」
箱星の聞いたことの無い、凄みのある声
「なんだと!」
3人が僕から箱星の方へ、
3人に囲まれても箱星は動じない。
「俺と温は同じ世界にいる。だから、もう入ってこないでくれる」
「はぁー?」
どうしよう…先生呼んできた方がいい?
その時、授業開始のチャイムがなった。
「ヤベー理科の内藤、遅刻したら課題倍だぞ!」
「お前ら2人とも、うぜぇんだよ!」
そう吐き捨てて、3人は理科室に、ダッシュした。
僕は、気が抜けて、ぼーっと3人の背中を見ていた。
箱星は僕の背中にポンと手をおき、
「大丈夫?」
と優しく声を掛けてくれた。
癒される声、こんなに優しい箱星を僕は傷つけた?
「箱星、重いとか苦しいっていうのは」
「別にいいよ、なんにも思わないって言われるより、意識してもらってるほうがマシだし…俺だって、温のこと思うと、苦しくなることもあるし」
「えっ?」
「改めて、これからも、よろしく」
笑顔の箱星が、左手を差し出してくれる。
僕は、ホッとして、その手に、すがりつく様に握手をした。
「この2人だけの世界は、苦しかったり、分からなかったり、戸惑ったり…、不安になったりすることもあると思うけど、俺はこの世界から、出るつもりは無いから。」
ホッとしたのは、つかの間。
僕は今、箱星に、なんの話をされているのか、整理が出来ない。
この世界ってどの世界?理解出来ない…
だけど、僕に、真剣に話をしてくれている箱星の気持ちに、応えたいと思った。
「うん、僕も出ない」
箱星の安心した顔。
よかった、この顔が見たかった。
「じゃあ、この世界のことは2人の秘密な」
そう言って、小指をたてる箱星。
指切りげんまん?
僕も小指を出す。
絡まる小指を見ながら、僕らは、なかなか「指きった」を出来ずにいた。
箱星の声、温と呼ぶこと、全然慣れない!
今も、心臓がドクンと、うなった。
2限目の移動教室。
理科室は渡り廊下を渡った隣の棟。
しかも4階って、遠すぎる。
久しぶりの運動だな…
移動教室を、運動と捉えてるのは、僕だけかも。
そんなことを考えながら
最近、ふと気づいたことを思い返す。
箱星の声は、なぜだか分からないけど、僕の心臓にダイレクトに届く。
だから、ビリビリしたり、ギュッとなったり、
グゥーンと苦しくなったり、うなったり、
ドンって重くなったりする。
これは好きとか、そういうことではなく、ただ声がダイレクトに届くというだけ。
多分、箱星が歌手になったら、その歌声は世界中の人の心に響くんだろう。
「おい!」
背後から、呼び止める声、ドギっとしながら振り返る。
僕のことじゃないよね…
振り返ると、ウチのクラスの一軍男子3人が、僕に近づいてくる。
えーなんですか?
後退りし、背中と壁がピタリとくっつく。
「箱星のこと、どうやって、たらしたの?」
たらす?
「えっと…」
「どうやって、お前らみたいなダサい底辺の奴らと、一緒にいることに、なったのか?って聞いてんの?」
「なんか、箱星の弱み握ってんの?」
「いや、弱みとかは別に、無いと思う」
「はぁ?」
3人がジリジリと近づいてくる。
もう、下がれないのにー
「あの、箱星は弱みなんて無い。性格も良くて、完璧で。ほんと、僕には、もったいない友達で」
僕は、友達になってくれた箱星を、いい奴だってことをわかって欲しかった。
「もったいないねぇ…お前にとって箱星って何なの?」
何?…何?だからそれは、
「宇宙、宇宙のように遠い」
「遠くないじゃん、今は、隣にいるじゃん」
一軍3人は、ヘラヘラと僕を囲む。
僕は完全にテンパって
「と、隣には居てくれてるけど、宇宙は宇宙で。だから、苦しくて重くて、だけど一緒に」
3人の視線が、僕から逸れ、1点に集まる
「箱星、コイツ、お前と居ると、重くて苦しいんだって」
3人の視線の先から箱星が、歩いてくる。
寂しそうな顔?
「底辺のコイツらと、俺らとじゃ、住む世界が違うんだよ。今なら、こっちに戻ってきてもいいけど」
どうしよう…そんなつもりじゃないのに。
僕が箱星を傷つけてる。
どんな顔して箱星を見ればいいか分からない。
僕は、うつむいた顔をあげられずにいた。
「住む世界が違うのは、鮫島、お前らとだよ」
箱星の聞いたことの無い、凄みのある声
「なんだと!」
3人が僕から箱星の方へ、
3人に囲まれても箱星は動じない。
「俺と温は同じ世界にいる。だから、もう入ってこないでくれる」
「はぁー?」
どうしよう…先生呼んできた方がいい?
その時、授業開始のチャイムがなった。
「ヤベー理科の内藤、遅刻したら課題倍だぞ!」
「お前ら2人とも、うぜぇんだよ!」
そう吐き捨てて、3人は理科室に、ダッシュした。
僕は、気が抜けて、ぼーっと3人の背中を見ていた。
箱星は僕の背中にポンと手をおき、
「大丈夫?」
と優しく声を掛けてくれた。
癒される声、こんなに優しい箱星を僕は傷つけた?
「箱星、重いとか苦しいっていうのは」
「別にいいよ、なんにも思わないって言われるより、意識してもらってるほうがマシだし…俺だって、温のこと思うと、苦しくなることもあるし」
「えっ?」
「改めて、これからも、よろしく」
笑顔の箱星が、左手を差し出してくれる。
僕は、ホッとして、その手に、すがりつく様に握手をした。
「この2人だけの世界は、苦しかったり、分からなかったり、戸惑ったり…、不安になったりすることもあると思うけど、俺はこの世界から、出るつもりは無いから。」
ホッとしたのは、つかの間。
僕は今、箱星に、なんの話をされているのか、整理が出来ない。
この世界ってどの世界?理解出来ない…
だけど、僕に、真剣に話をしてくれている箱星の気持ちに、応えたいと思った。
「うん、僕も出ない」
箱星の安心した顔。
よかった、この顔が見たかった。
「じゃあ、この世界のことは2人の秘密な」
そう言って、小指をたてる箱星。
指切りげんまん?
僕も小指を出す。
絡まる小指を見ながら、僕らは、なかなか「指きった」を出来ずにいた。


