「温、体調悪い?」
1限目終わり、俯いて現実逃避してるだけの僕に、遊は囁くように、体を気づかって聞いてくれてた。
「いや、別に」
「朝から草壁君、ちょっと調子悪くて。多分、次の体育無理だから、箱星君、保健室に、連れて行って。先生には、2人は休みって言っとくから。草壁君、がんばれーじゃあ」
津田が、ダーッと喋って、何も分かってなさそうな田中を連れて体育館へ行った。
遊が、津田達の背中を見ながら
「なんか、津田。張り切ってんな」
「そうだね…」
「行こっか、保健室。歩ける?」
と言いながら、すでに、僕の前でしゃがみ、背中を差し出してくれる遊
「全然大丈夫、歩けるから。」
「そう」
僕のテンパりに微笑みながら、次は手を差し出す。
「じゃあせめて、腕くらい支えさせて」
「あっ、うん」
いつも、遊の紳士ぶりに圧倒されて、もう、負ける。
保健室までの廊下。
遊と腕を組みながら歩く。
パパパパーンパパパパーン、なんて結婚式の入場ソングが頭に流れる。
いやいや、それどころじゃなくて!
どうでもいいことを考えてる間に保健室へ。
熱は無いわね、少し横になって行く?なんて保健の先生に言われて、ベットに横になる僕
すみません、先生。僕は元気です。
先生と遊の会話が、カーテンのむこうから聞こえる。
ちょっと職員室にいるから、なんかあったら連絡してね。
ドアが閉まる音
先生の足音が遠のく。
保健室に、遊と二人っきり
今なら言える、言わないと!
「温、大丈夫?」
カーテンを開けようとする遊に僕は
「ちょっと待って!そのまま、そのまま聞いて欲しいんだけど」
「…うん」
「僕、文化祭で漫才することになって。山名先輩と。」
遊からの言葉はない。僕はタオルケットを強く握りながら
「えっと、それをずっと言えなくて、ずっとって言うのは、ずっとで。つまり、遊がアメリカから帰ってきた時には決まってて、だけど、言えなくて。後ろめたいことなんて何も無いのに、遊が嫌がるかな?とか勝手に考えて。」
「嫌がる?」
「いや、嫌がられることなんて、なにも無いんだ。ただ、…ただ、僕の勇気が無くて」
「…」
「…遊が山名先輩のことをどう思ってるかとか、考えても分からなくて。そんなの、当たり前なんだけど。それでもやっぱり、考えちゃって、そしたら、言葉がうまく見つからなくて」
無我夢中で、とりとめのない話をする僕に
「温、聞いてくれる?」
落ち着いた遊の声
「山名先輩のことは、…例えば、俺が山名先輩くらい温と趣味があってたら、どうなってただろうとか…温が、もっともっと山名先輩と仲良くなることが、俺たちの10年後、20年後にどんな影響があるだろう?何か変わるだろうか?て考えてみたりした」
遊…僕よりずっと先のことまで考えてくれてる。遊、心配しなくても僕らは何も変わらない
「何度も考えてみた、もしかしたら、山名先輩が原因で、ケンカすることがあるのかもしれない。だけど、俺らの関係は、なにも変わらないんじゃないかなーって」
一緒だ。僕もそう思っている
「だから、今、感じる、モヤモヤや、ハラハラは、いつかは笑い話になる。それに、なにより、温の幸せが1番だから。温が山名先輩といて楽しいのは、すごくいいことだし。温の幸せを俺は、俺の勝手な思いで1ミリも減らしたくない。」
僕は、静かにベットからおり、カーテンを開けた。
伝えたい
「遊、僕は幸せだよ。遊に出会えて」
「ほんとに?」
「うん。今が幸せ。それに僕も何も変わらないと思う」
遊は一歩一歩、ゆっくり僕に近づいて
おでことおでこをコツンとくっつけた。
「熱は無い、温、俺も幸せだよ。温に出会えて」
お互いのおでこが、どんどんと熱くなっていくのを感じた。
1限目終わり、俯いて現実逃避してるだけの僕に、遊は囁くように、体を気づかって聞いてくれてた。
「いや、別に」
「朝から草壁君、ちょっと調子悪くて。多分、次の体育無理だから、箱星君、保健室に、連れて行って。先生には、2人は休みって言っとくから。草壁君、がんばれーじゃあ」
津田が、ダーッと喋って、何も分かってなさそうな田中を連れて体育館へ行った。
遊が、津田達の背中を見ながら
「なんか、津田。張り切ってんな」
「そうだね…」
「行こっか、保健室。歩ける?」
と言いながら、すでに、僕の前でしゃがみ、背中を差し出してくれる遊
「全然大丈夫、歩けるから。」
「そう」
僕のテンパりに微笑みながら、次は手を差し出す。
「じゃあせめて、腕くらい支えさせて」
「あっ、うん」
いつも、遊の紳士ぶりに圧倒されて、もう、負ける。
保健室までの廊下。
遊と腕を組みながら歩く。
パパパパーンパパパパーン、なんて結婚式の入場ソングが頭に流れる。
いやいや、それどころじゃなくて!
どうでもいいことを考えてる間に保健室へ。
熱は無いわね、少し横になって行く?なんて保健の先生に言われて、ベットに横になる僕
すみません、先生。僕は元気です。
先生と遊の会話が、カーテンのむこうから聞こえる。
ちょっと職員室にいるから、なんかあったら連絡してね。
ドアが閉まる音
先生の足音が遠のく。
保健室に、遊と二人っきり
今なら言える、言わないと!
「温、大丈夫?」
カーテンを開けようとする遊に僕は
「ちょっと待って!そのまま、そのまま聞いて欲しいんだけど」
「…うん」
「僕、文化祭で漫才することになって。山名先輩と。」
遊からの言葉はない。僕はタオルケットを強く握りながら
「えっと、それをずっと言えなくて、ずっとって言うのは、ずっとで。つまり、遊がアメリカから帰ってきた時には決まってて、だけど、言えなくて。後ろめたいことなんて何も無いのに、遊が嫌がるかな?とか勝手に考えて。」
「嫌がる?」
「いや、嫌がられることなんて、なにも無いんだ。ただ、…ただ、僕の勇気が無くて」
「…」
「…遊が山名先輩のことをどう思ってるかとか、考えても分からなくて。そんなの、当たり前なんだけど。それでもやっぱり、考えちゃって、そしたら、言葉がうまく見つからなくて」
無我夢中で、とりとめのない話をする僕に
「温、聞いてくれる?」
落ち着いた遊の声
「山名先輩のことは、…例えば、俺が山名先輩くらい温と趣味があってたら、どうなってただろうとか…温が、もっともっと山名先輩と仲良くなることが、俺たちの10年後、20年後にどんな影響があるだろう?何か変わるだろうか?て考えてみたりした」
遊…僕よりずっと先のことまで考えてくれてる。遊、心配しなくても僕らは何も変わらない
「何度も考えてみた、もしかしたら、山名先輩が原因で、ケンカすることがあるのかもしれない。だけど、俺らの関係は、なにも変わらないんじゃないかなーって」
一緒だ。僕もそう思っている
「だから、今、感じる、モヤモヤや、ハラハラは、いつかは笑い話になる。それに、なにより、温の幸せが1番だから。温が山名先輩といて楽しいのは、すごくいいことだし。温の幸せを俺は、俺の勝手な思いで1ミリも減らしたくない。」
僕は、静かにベットからおり、カーテンを開けた。
伝えたい
「遊、僕は幸せだよ。遊に出会えて」
「ほんとに?」
「うん。今が幸せ。それに僕も何も変わらないと思う」
遊は一歩一歩、ゆっくり僕に近づいて
おでことおでこをコツンとくっつけた。
「熱は無い、温、俺も幸せだよ。温に出会えて」
お互いのおでこが、どんどんと熱くなっていくのを感じた。


