もう、私を導いてくれる人は誰もいない。好きなものも、食べたいものも、自分で決めなくてはいけないのだ。
ただ従順でいるだけで褒められていた時代は幕を下ろした。これからは私が私の人生を生きる、他の誰のものでもない私だけの人生を。
もう、以前の私には戻らない。誰かに傷つけられて泣いているだけの私には戻らない。
でも、少し前まではその考えに辿り着けなかった。
暴力を受けているわけでも、劣悪な環境にいるわけでもない。でもこの濁った空気が漂い始めた小学生の頃から、私の胸には確かな違和感が渦巻いていた。
辞書をもってしても上手く形容できないけれど、何かがおかしい、そんな気がしていた。
その違和感の謎が十年越しにようやく解けたような気分だ。私の家は、確かに普通だった。でもそれと同時に間違いなく普通じゃなかったのだ。
常に衣食住は保障されていて、時には愛されていることを実感できる瞬間もあった。だけどそれと同じくらい、私の生きたこれまでの日々には蔑ろにされている瞬間も多々潜んでいた。
普通でもあったし異常でもあった、それがこの違和感の正体なのだと思う。
両親は決して善良な人間ではなかったけれど、黒に染まりきった悪人でもなかった。
中途半端に優しい一面があるせいで、心から憎めない自分もいたのだ。
これ以上私を蔑んだ目で見下ろしたり、棘のある言葉で責めないで欲しいと願いながらも、心のどこかでは“どうせひどい扱いをしてくるならいっそ最悪の親になって憎ませてくれ”と思い続けていた。
結局、お母さんたちからの心からの謝罪はないままだ。だから、私は許さないことにした。もっとも、謝ってくれていたとしても素直に受け入れられていたかは分からないけれど。
多分、これからも私はお母さんとお父さんを許すことはできないと思う。そもそも許す必要だってない。許せない感情とともに生きていくのだ。
今、私は幼い頃の明るい記憶への未練を断ち切る。過去の鎖から解き放たれて、今を生きるのだ。
さようなら、大好きだったあの頃の家族たち。
ただ従順でいるだけで褒められていた時代は幕を下ろした。これからは私が私の人生を生きる、他の誰のものでもない私だけの人生を。
もう、以前の私には戻らない。誰かに傷つけられて泣いているだけの私には戻らない。
でも、少し前まではその考えに辿り着けなかった。
暴力を受けているわけでも、劣悪な環境にいるわけでもない。でもこの濁った空気が漂い始めた小学生の頃から、私の胸には確かな違和感が渦巻いていた。
辞書をもってしても上手く形容できないけれど、何かがおかしい、そんな気がしていた。
その違和感の謎が十年越しにようやく解けたような気分だ。私の家は、確かに普通だった。でもそれと同時に間違いなく普通じゃなかったのだ。
常に衣食住は保障されていて、時には愛されていることを実感できる瞬間もあった。だけどそれと同じくらい、私の生きたこれまでの日々には蔑ろにされている瞬間も多々潜んでいた。
普通でもあったし異常でもあった、それがこの違和感の正体なのだと思う。
両親は決して善良な人間ではなかったけれど、黒に染まりきった悪人でもなかった。
中途半端に優しい一面があるせいで、心から憎めない自分もいたのだ。
これ以上私を蔑んだ目で見下ろしたり、棘のある言葉で責めないで欲しいと願いながらも、心のどこかでは“どうせひどい扱いをしてくるならいっそ最悪の親になって憎ませてくれ”と思い続けていた。
結局、お母さんたちからの心からの謝罪はないままだ。だから、私は許さないことにした。もっとも、謝ってくれていたとしても素直に受け入れられていたかは分からないけれど。
多分、これからも私はお母さんとお父さんを許すことはできないと思う。そもそも許す必要だってない。許せない感情とともに生きていくのだ。
今、私は幼い頃の明るい記憶への未練を断ち切る。過去の鎖から解き放たれて、今を生きるのだ。
さようなら、大好きだったあの頃の家族たち。
