探偵研究部。――カケラノセカイ―― ④文化祭の謎を追え!

「おかえりー!」

 ヘロヘロになった小川、未知、平屋を部室で待っていたのは、クラッカーと紙吹雪だった。

「祝・学校七不思議、完全制覇」

 そんなくす玉から揺れる垂れ幕を、

「ハハハ……」

 と乾いた笑いで三人はいなす。

「あれ? うれしくないの?」

 目の前には、狭間・笠置・玉田、OG・OBたち。
 そして、機械準備室から無事(?)生還したらしい、高杉と智子がいた。

 なるほど、七不思議の実行犯は、OB・OG。
 そして、共犯はオカルト研究会のこの二人だ。

「いやあ‥‥‥犯人ばっかりで、素直に喜べない‥‥‥」

 げんなりと三人は肩を落とした。

「七不思議の謎解き、よくできたねえ」

 狭間が小川の頭をなでるふりをしながら褒めると、小川は距離をとって不機嫌そうに答えた。

「うれしくねーです」

「しょっぱいなあ」

 狭間は、そう言って笑った。

「しょっぱいのはそっちのやり口ですよ! 四十年前とか言って。今しがた手を加えたようなものもありましたよね」

 未知が目を向けると、高杉がそっぽを向いて口笛を吹く。そんな様子に、智子はがっちりと未知を抱きしめ、

「未知! ドッペルゲンガーの映写機、マジで怖かったんだから! 次は一緒に見てよね!」

「えーあーそれは、うん‥‥‥」
 未知はたじたじと目を泳がせた。

「あ、それは未知が悪いね」

 と小川も頷いた。

「とにかく、あのガイコツだけはゆるせない!」

 玉田と笠置をにらみながら平屋も食って掛かった。

「それに! あんな七不思議なんて隠し玉あるんだったら、去年展示してればよかったじゃないですか! あんな閑古鳥鳴くような展示しといて!!」

「いや、だって、俺たちが探すことができたのは、ガイコツと、石膏像と、鏡、あと放送室の古いテープくらいだったんだよ! そんな歯っ欠けじゃ、かっこつかないだろ?」

 と笠置と玉田は、どうどう、と手のひらを向ける。
 狭間が三人を見て、凛とした声で言った。

「まあ、とにかく一番は、『東雲勝治の未発表の壁画』。これを見つけただけでも君たちは素晴らしいチームだったと証明されたわけだ」

 小川は頭を掻いた。

「いやーー。見つけたのはT部長のおかげっていうか‥‥‥」

 みんなの頭に
(誰?)という疑問符が浮かんだが、

「と、いうわけで、文化祭でこの七不思議を展示したらウケるんじゃないの?」

 と狭間が言えば、

「どうかなあ。ところどころ古臭くて、どうしようもなくて、キレたやつもあったしなあ」

 と言葉を濁した。
 けれども小川の頭には、初代の先輩方がいまの自分たちとおんなじようにふざけたり、いがみあったり、時には危機を乗り越えながら『学校七不思議』を手作りでつくっていった、そんな様子を思い浮かべることができた。

「まあ、当日まで、アップデートしてみるよ」

 小川のきっぱりしたその言葉に、未知と平屋も力強く頷いた。