探偵研究部。――カケラノセカイ―― ④文化祭の謎を追え!

――四十年前、第一中学校校舎。

校舎のてっぺんに掛かる大時計は、四時の針を過ぎる。

新築したばかりの校舎は、ペンキの匂いが残る、落書きひとつない真っ白な柱。
靴跡も無い、ワックスがかけられたばかりの廊下が鏡のように、差し込む西日を照り返す。
どれもこれもまっさらだった。

生徒たちはもう数えるほどしか残っていない。
放課後の廊下に一人、眼鏡の少年が佇んでいた。

一年生らしく、これまた糊のきいたまっさらなワイシャツと学生ズボン。真っ白な上靴だった。
眼鏡の下からもはっきりわかる生意気そうに光るその目は、まっさらなスケッチブックに落とされる。
六Bの鉛筆が画用紙を走る。彼にとって、ここは、何の色にも染め上げられる、真っ白で巨大なキャンパスだった。

一つスケッチしては、また歩みを進めていく――
彼の、一番の「キャンパス」を探しに。