いつか、君を忘れても。~私の旦那さまは、私の知らない“幼馴染”?~

「お、来たか。夏葉(なつは)
「はい、お父さま。お話とは……」
 お父さまの部屋に入る。
 お父さまは、窓から外の景色を眺めていた。
「お前の、結婚についてだ」
「え……?」
 けっ、こん……?
「お前もそろそろ、結婚したほうが良いと思ってな。この前、縁談がきたんだ」
 感情が、ぐちゃぐちゃだった。
 嬉しいような、悲しいような。
 そんな気持ちだった。
「相手は……。皇族の彼方(かなた)さんだ」
「こ、皇族……」
 この国で絶対的な権力を持つ人たち。
「お前と同い年だし、良いと思うのだが……」
「……はい、分かりました」
 お父さまは、なんだか少し悲しそうな顔をしていた。