∞8《インフィニティ・エイト》

 リクはゲームを終了させて手を叩く。

「なあ、二人とも。昼飯食ったら夜の予定決めようぜ」

「……昨日までは、午前は学校を見に行って、夜は祭に行くって言っていたよね。なんだか今の時点でだいぶ予定とずれているけれど」

 ソラはコントローラーを片手にツッコミをいれる。

 ループが始まる前……八月七日のリクは、「祭だ祭だ!」とはしゃいでいたから、ソラに怪しまれるのも仕方ない。

「きっ、昨日の俺と今日の俺は違うぜ! 今日の気分は天体観測だ! 兄貴が天文部に入ったばっかの頃はよくやってたろ? 兄貴の天体望遠鏡持ってさ、星を見に行こうぜ。今日の夜は晴天って天気予報でも言ってたしさ、今年は星祭りに行けないだろ? だから、最後に夏美にここの星空見せてやろうぜ」

 私たちは小学生の頃から毎年、胎内市の『星まつり』に参加していた。

『星まつり』というのは、胎内市の山間部にあるホテルが会場になっていて、多くの望遠鏡メーカーが集まる。

 夜になれば天体観測会と天文教室が開かれて、各地から参加した子どもたちが星空に想いを馳せるのだ。
 
 私は明日引っ越してしまうから、もうこの三人で星まつりに行くことはできない。

 だからリクは今夜、このあたりで天体観測をしようと提案しているのだ。